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  • 執筆者の写真Shima.FC

新チームの始動

 選手権大会の三重県予選の全日程が終了した。志摩高校は悔しい一回戦敗退となり、三重県のどのチームよりも早い新チーム始動となっている。2年生が11人、1年生が5人の計16人での再スタートである。戦術的にも精神的にもチームの中心であった3年生が抜けたことで個々に求められることが増え、反対に一人の停滞がチームに大きく影響する。

 蓋を開けてみるとどうだろうか。オンザピッチでは、変わりなく明るさや向上心をもって取り組めている。人数が少ない中でも明るさが保てているところに心強さを感じている。

だが、一方で「サッカーだけ」を頑張っているような気がしてならない。つまりオフザピッチの取り組みである。先週には緊急にミーティングも行った。志摩高サッカー部に一番求められていることは、学校貢献である。サッカーを通して、自律や責任感、連帯感を学び、それらをクラス、学年、学校に還元していくことである。でも、職員室にいると「またサッカー部」という言葉を頻繁に聞くようになってきた。文字だけをみるとポジティブにもネガティブにも受け取ることができるが、もちろん後者である。悲しい限りである。新チームからサッカーノートを導入した。取り組んだ内容や自分の思いを整理して、今日を無駄にしないための取り組みである。ルールは何かしらを2行書いて、翌朝1限目までに提出というものである。5分もあれば終わらせられる分量だと思う。日に日に内容がよくなっていく選手もいる。一方で・・・。また、日常生活でも所謂余計なことで指導していただいている現状もある。

 では、なぜそのようなことが起こっているのかを考えてみたい。サッカーがうまくいかないイライラ、学校外でのイザコザ、学習面での不安、体調不良など様々な原因があると思うが、それらは一旦置いておいて考えると、まず考えられるのがそもそもサッカーすら一生懸命に取り組めていないということがあげられる。「サッカー部」の取り組みを軽く見てはいないだろうか。補修、課題、指導…。放課後2時間の時間を大切に思うのであれば、それ以外の時間を大事にする意味を理解できるのではないだろうか。確かに得意不得意はある。私も、事務仕事は苦手でどうしても時間がかかる。でも、それを理由に部活を放棄したことはない。(急な対応は除く。)時間がかかるのであれば、早く始めたり、できる人に手伝ってもらったり、やるべきことを精査したりして時間を作る。確かに一生懸命に頑張る姿は泥臭いし、かっこわるい。でも本当のかっこよさは「外見」ではなくその「姿勢」であると思うし、「外見」だけでかっこいいか悪いかを判断するような人にはなってほしくない。泥臭くかっこわるいサッカー部でいいじゃないか!

 他には、自分の役割を把握できていないことも挙げられる。先にも書いたように、サッカー部は学校貢献をしなければいけない集団である。これにはいろいろな理由がある。一番は学校の備品、グランド、部費を使っていることである。サッカーを自由にできるのは決して当たり前ではない。高校を離れてフルピッチでサッカーをしようと思ったとき、何が必要になるだろうか。その”何”は学校では準備されている。たくさんの人に支えてもらってこその部活動なのである。学校貢献を掲げるのはごくごく自然な流れである。(私ももちろんその一員である。)前置きは長くなったが、自分はそんな集団の一員であることを自覚しているだろうか。授業態度や先生方への言葉使いや振る舞い。友人との関わり。家族との関わり。それぞれに求められる役割は絶対にあると思う。ムードメーカーであったり、リーダーシップであったり、誠実さであったり、何かしら果たせる役割を絶対に持っている。マイナスオーラを醸すことや、誰かを傷つけることが役割である人なんていない。もしそのような行動をしているならば、それは役割を放棄した。つまりは、やるべきことをやりきっていないことの証明である。やりきっていない人は、小さなことに一喜一憂し失敗の原因を他に求める。精一杯でないから脇見が増える。もちろん聖人のように何もかもやれとは思わない。ただ、自分の役割を全うすることにパワーを注ぐ個人・集団でありたい。


 耳に痛い、嫌なことを長々と書いているが掲げた目標の達成のためには、目をつぶってはいけないと思った。「またサッカー部」がポジティブに捉えられる日が来ると信じてスタッフと選手が一丸となって頑張ろう。頑張る人を素直に応援できる人になろう。まだまだ先は長い。ステップバイステップ!

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